アモーフィズム/佐藤允彦

発売日:2008年5月21日
発売元:ソニーミュージック
型番:SICP 10099
HYBRID盤(CD/SACD 2ch)
1985年の録音。ピアニストで作曲・編曲家の佐藤允彦が、ガットギャングのスティーブ・ガット(ds)とエディ・ゴメス(b)を従えて録音したトリオ作。全米で発売された佐藤の代表作とのこと。
SACDハイブリッド盤で発売されたので、試しに購入してみたところ、ばっちり好みでした。ピアノトリオと言っても、シンセを多用しているのは'85年という時代を感じるところ。ジャケットのイラストの印象もあるのか、非常に色彩感の強い演奏です。佐藤の演奏はかなりフリージャズ的に感じるのですが、アドリブは決して冗長ではなく、ファンキーなリズム隊の演奏とあいまってとても締まっています。そして、どことなく感じる「日本」的なニュアンスがたまりません。別に和風なメロディや和音を使っている訳ではないのですが。
アルバムタイトルの「AMORPHISM」の意味はわからないのですが、曲のタイトルは「春予抄」「催花雨」といった季節を感じさせるものがあったり、「Escape Velocity」…これは、第二宇宙速度のことですね…というロマンを感じさせるものがあったり、このタイトルのつけ方のセンスは凄く好みです。
アルバム全体の収録時間が40分未満というのがまた、良いです。物足りないくらいが丁度良い。
肝心の音質ですが、自分の印象としては鮮度が高く、上等の部類に入ると思います。楽器の近くにマイクを置いたような録音で、スタジオの空気感みたいなものは特に聴き取れません。音圧が高めで、どちらかというと「CD的良録音」といった気もしますが、CDレイヤーと聴き比べてみると前述した「色彩感」がSACDレイヤーでは強く感じられます。
佐藤の作・編曲。トリオの演奏。そして音質。どれもレベルが高くて聴き飽きません。ジャズの初心者に薦められるかどうかは判りませんが、個人的にはとてもオススメの一枚です。
ハルモニア/いちむじん
発売日:2007年9月19日
発売元:ポニーキャニオン
型番:PCCY-60007
HYBRID盤(CD/SACD 2ch)
クラシックギターデュオ・いちむじんによる、2006年にリリースされた1stアルバム「Rui」に続く、2ndアルバム。
わかりやすく言うと、「クラシック版のゴンチチ」って感じですかね?
1stアルバムが気に入っていたのですが、知らないうちに2ndが発売されていたので慌てて購入しました。1stは、ドラマやドキュメンタリーに使用された曲を収録していたり、映画「ニューシネマパラダイス」の曲を収録するなど、耳馴染みの良い曲が多く聴きやすかったアルバムでした。対して今回の2ndは、クラシックの曲やクラシックギター用の曲が殆どを占め、曲目をぱっと見たところ、とっつきにくそうという印象があることは否めないのではないかと。
とはいえ、1曲目にドビュッシーの「月の光」がくるところが憎いですね。個人的にとても好きな曲。(Windows用ゲーム「フラワーズ」で印象的に使われていたので、余計好きになった…というのは余談。)
あと、最後の曲「ロンドンデリーの歌」は、ジャズ方面では「ダニー・ボーイ」として知られている名曲でした。これも大好きな曲で、儲けた気分。
肝心の音質ですが、期待にそぐわず素晴らしいものです。1stも素晴らしいですが、2ndはそれ以上な気がします。アコースティックギターの美しく暖かい音色はもとより、眼前にぽっかりと現れる音場の気持ちよさ。録音は、前作に続きオクタヴィアレコードの江崎氏でした。
CDレイヤーでの音質も十分高いとは思いますが、柔らかいギターの音色にやや輪郭がついて響きが若干乏しく、なにより色彩感が違います。SACDレイヤーの後にCDレイヤーを聴くと、そう感じてしまうのはいたしかたないところか。