メイキングっぽいもの

「遠坂凛」のイラストの制作工程です。
...ほとんど役には立たなさそうですが。

過程の部分は完成品からの抽出なので、
実際の工程のものとは異なります。

(0)
 とりあえず使用機器/ソフトなど

 紙:普通のコピー用紙
 鉛筆:Pentel GRAPH1000 FOR PRO 0.3(0.5だと太すぎてダメ。0.3が自分にはちょうど良いです。)

 マシン:PowerMac G4 800(QuickSilver2002) (メモリは1.25GB搭載)
 スキャナ:EPSON GT-7700U
 タブレット:WACOM i-920

 OS:MacOS X 10.3.2
 お絵描きソフト:Corel Painter 8.0J (パッチのリリース、いつまで待てというのか?(怒))
         Adobe Photoshop CS
         MetaCreations Painter 6.0.2J (Painter8のバグのフォローの為に使用)
         PowerTone 3(Modeからセルシスに権利が移って、行く先が不安...)


(1)

 紙にテキトーにイメージを落書きします。
 これらの他にもラフを何枚か描いて、イメージを固めていきます。右側のが一応最終案ってことで、これをスキャンして下書き代わりにします。
 Photoshop CSからEPSONのスキャナのドライバを起動して、グレースケールで150dpi程度(紙に描いた大きさに対して、モニタ上では倍程度の大きさの表示になる)で取り込みます。レベル補正で濃淡を調整し、縦横のサイズも実際に描く大きさに変更。画像を全選択してカット&ペーストし、取り込んだ線画をレイヤー化します。


(2)


 ファイルをPhotoshop形式で保存し、Painter(8.0)で読み込みます。
 線画のレイヤーは下書きに使用するので、不透明度を20〜30%程度に変更し、その上にレイヤーを重ねて、線画のクリーンアップを行います。(漫画で言うところのペン入れですね。)
 使用するブラシは、エアブラシの「ソフトエアー(小)5」、サイズは1.0、不透明度は100%、ブラシの形は「尖頭タイプ」(一番細いヤツ)です。特にカスタマイズせず、デフォルトだったような。
 髪の毛以外の部分を1枚のレイヤーに描きます。(髪の毛は修正することが多かったりするので、他の部分への影響を少なくする為に別のレイヤーに描きます。)
 上の絵は完成品なので、髪の毛に隠れている部分は消してしまっていますが、実際にはこの時点では、髪の毛に隠れている部分も結構描いてあります。


(3)


 レイヤーを一枚追加して、髪の毛をクリーンアップします。
 髪の毛に隠れる部分の線画は消しゴムで消します。
 これで線画はとりあえず完成です。...私の描く線画はいかにも「手描き」って感じの、ソリッドさの欠片もない線なのですが、奇麗な線画を描いてるみなさんって、どうやって描いてるんでしょうかね?(汗


(4)


 線画のレイヤーの下に、部品毎にレイヤーを作成して塗って行きます。私の場合は、まずは肌です。
 ブラシはここでもエアブラシですが、「ソフトエアブラシ30」で形状は「1ピクセルエッジ」(一番太いヤツ)。サイズと不透明度はその都度テキトーに。
 細かい影とか濃淡は考えず、なにしろ範囲を塗ります。肌が終わったら、またレイヤーを重ねて白目。重ねて瞳を描きます。範囲を適当な1色で塗ったら、「透明度を維持」をチェックして塗った部分以外を塗る事が出来ないようにして、白目の影の部分や瞳の濃淡を描いて行きます。

 瞳のハイライトは、瞳とは別のレイヤーに描きます。(線画レイヤーの上にレイヤーを作成。)
 他の部分はまずは範囲だけ単色で塗ってしまいますが、瞳だけは(肌を塗った後に)真っ先に仕上げます。瞳をきちんと描くことで、最終的にどんな絵になるかが具体的にイメージできるので...。この時点でダメだ!と思ってボツにすることもあります。


(5)


 服の各パーツを塗って、上と同様に「透明度を維持」にした状態で濃淡とかを適当に(こればっか)塗って行きます。ブラシはここでもエアブラシ。ソフトエアブラシの不透明度やサイズを適当に変えながら塗っていきます。光の方向とかは一応考えながら。あと、服の素材なんかもイメージしながら。


(6)


 その後、髪の毛を塗ります。方法は上と同じ。
 髪の毛のハイライトは、瞳とは違って、レイヤー分けはしないでそのまま塗ります。


(7)


 エアブラシ(小)5(線画を描いたものと同じ)を使って、髪の毛の線を追加していきます。服とかの色が濃い部分は白い線で。これで、雰囲気がやや繊細になります。あまりやりすぎるとボサボサっぽくなるし、白が多すぎると白髪っぽくなるので注意が必要。
 頬も、薄いピンクで肌のレイヤーの上にレイヤーを重ねて塗ります。さらっとあっさり塗った後、レイヤーの重ね方を「通常」から「乗算」に変えてみたりして、いい感じになるものを選びます。(ここでは乗算にしました。)
 頬にもちょっとハイライトを入れてみようってことで、瞳のハイライトと同じレイヤーで、白い小さな点を両頬に入れてみました。
 人形も塗りますが、面倒なので部品毎のレイヤー分けはせず、一枚のレイヤーで適当に(酷えな)
 線画についても、最初は黒で描いてますが、色を塗った時点で茶色とかセピアっぽい感じの色にしてみたりします。(透明度を維持をチェックして、ブラシで塗るだけ。)塗りが濃い部分の線画を薄くしてしまうと線が消えたようになってしまうので、そのあたりは適当に。髪の毛は、この絵の様に濃い色の場合は黒のままかそれに近い色にします。また、頬の部分の線は、他にくらべてやや明るい色にします。

(8)
 Painterでの作業はこれで終了〜。あ、サインはPainterで描いた。
 背景をきちんと描く場合は、もちろんこれもPainterで描きます。(背景を描く場合は、Photoshopで線画を描いてPainterで塗りを行ったりもしますが、今回はまともに背景を描いた絵ではないので割愛。)
 ファイルをPhotoshop形式で保存して(作業途中もきちんとファイルを保存しましょう。できれば2種類のファイル名で交互に保存すると良し)、Photoshopで読み込み、背景を適当にでっちあげて完成。
 今回の背景の柄は、Photoshopの別売のプラグインソフト「PowerTone」を使ってます。普段は漫画を描くときに使うソフト。
 ちなみに、Painter8でセーブしたデータを直接Photoshopで読み込むと、2バイト文字で名前をつけたレイヤーは全て名前が空白になってしまいます。これを回避するため、一度Painter6を起動してこちらでセーブしなおしてからPhotoshopに持って行っています。なんて面倒な。Painter8のパッチのリリースが遅れているために未だ解決せず。(他にも色々バグが...)

(9)
 とまあ、こんな感じです。
 Painterはエアブラシと消しゴムしか使いません。昔(Painterがレイヤーに対応していなかった頃)は水彩を主に使っていましたが。他のブラシも色々試した方が幅が出るのでしょうけど、塗りに対しての執着があまりないのが...。良くないなあ。
 ハイライトや影を、パスをつかって範囲選択して...とかそういう事も全然してません。ローテクですな。
 PhotoshopはCSにバージョンアップしましたが、5.5からの移行でこちらもブラシが随分と変わってしまって、正直よくわからない。マニュアル読まねば。
 上記はWeb用というか、画面で見るための解像度の絵を描くための手順ですが、印刷用原稿の場合は線画を「エアブラシ(小)5」で描くと細すぎるので、線画も「エアブラシ20」なんかを細くして描いてます。
 Painterも6の方が判りやすかったなあ。あのままでMacOS Xに対応してくれればよかったのですが。

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